供える。供える。
長い長い膨大なきもの帯のようなそれ。
歴史の裏に廻り廻るいのちの裾を観て、
私は頭をあの世と呼ばれる場所に供えた。
そしてはじめて自分の足で立った。
赤い橋を渡る時に
約束をしたトワは
まぎれもなく今に存在して
遥か彼方の何万年が瞬きする間もなく
時間を超え、繋がるとき、
私たちは契りを再び交わしているんだ。
だからもう一度供えたい。
むかしむかしではなく
いまのわたしを。
鏡に映ったわたしではなく
緑であり、桜であり、
土であり、赤いあの世であるわたしを。